・ 「おひとりさま」の遺産で悲鳴 相続増税の注意点
報道によると、 内閣府の白書によれば、2010年時点の「生涯未婚率」は男性で2割以上、女性1割以上まで増加しています。そして、結婚しないライフスタイルの層が将来の遺産相続で直面することになる現実は、決して「気楽なもの」「自分に有利に進められるもの」ばかりだとは限りません。
マイナス要素のほうに目を向けると、まず第1の注意点として「相続人の問題」が浮上してくるでしょう。シングルの状態で相続を迎える「おひとりさま相続」の場合、核家族型の相続で一般的となる「妻と子どもが相続人」のような形はとりません。多くのケースで、兄弟姉妹やおい、めいなどが遺産の相続権を持つことになります。
兄弟姉妹といっても、お互いに家から独立し、それぞれに仕事や家庭を持つようになってからは、「一緒に生きてきたわけではない」という部分がどうしても出てきてしまいがちとなるでしょう。そこへ自分の遺産が、いわば「転がりこむ」ことになるわけですから、関係性によっては将来の相続トラブルの火種となることも出てくるかもしれません。
また、晩年の日常が、そういった兄弟姉妹やおい、めいなどに支えられているとは限りません。実際の話としては、自分が恩義を感じている「近くの他人」と、自分の相続人となる「遠くの親戚」が一致しないという事態も生じてくることになるでしょう。このギャップを解決するためには、遺言書の作成など何らかの準備が欠かせないということになります。このあたりまでが、9月27日付「急増する『おひとりさま相続』が直面する現実」でとりあげた【第1の注意点】 相続人の問題となっていました。